不動産投資

なんとなくが一番危ない!表面利回りを目安に不動産投資していないですか?

利回り不動産投資をする際に使われる指標として一般的です。多くの投資家は利回りを基準に投資をするかしないかを決めることが多いです。よく不動産投資を始めようとしている方でも「利回り」を知っている方は多いのではないでしょうか?
ただ、勘違いしていただきたいくないのは、利回りはあくまで不動産投資としての魅力があるかを計算するための指標の一つということです。よく勘違いしている方も時より見受けますので注意が必要です。
不動産投資をする上で、重要なことはある程度正確な計算をし、
- 不動産投資としての事業計画の見通しを立てておくこと
- 10年後の将来はどうなのかを読む分析力
以上の2つです。
表面利回りは後ほどご説明するが、かなり大雑把の指標になりますのであまりあてにしすぎてしまうのであくまで目安という感覚にしておくようにしましょう。
また、地域によっても利回りの見方や考え方も異なるのでその点での理解も重要となります。地方で利回りが〇〇%だから、都内でも・・・というように考えてしまわないようにこの記事を熟読しておきましょう。
まずは、この記事を通して利回りのことを確実に理解をして、さらに不動産の市場性を読む一つの指標と認識いただけたらと思います。
【不動産投資の基礎】表面利回りと実質利回り
利回りを語る上で、以下の2つはとても重要なので覚えておきましょう。
利回りは大きく分けて、表面利回りと実質利回りの2つがありますのでしっかりと覚えておきましょう。
表面利回り
あなたも一度はネットで収益物件の不動産情報サイトを見たことがあるかと思いますが、一般的にはサイト上に掲載されている利回りは表面利回りになっています。また、不動産会社の営業マンと話す時も表面利回りでパーセントを言うことがありますので注意が必要です。
そんな時は、表面利回りなのか実質利回りなのか確認しましょう。
表面利回りの計算方法
表面利回り(グロス利回り)(%)=年間の満室想定家賃収入/物件価格×100
こちらが計算方法になります。
例)
1000万円の物件を購入したとして、年間収益が100万円だった場合は、表面利回りが10%といった風に計算できます。
とても簡単です。
ただ、表面利回りはあくまで大雑把な目安です。
なぜ、目安かと言うと満室想定での計算となっているからです。イメージがつくかと思いますが、ずっと同じ方が住んでいる方は覗くとして、部屋がずっと満室ということはほとんどありえません、入居と退去の間には必ず空室期間が生まれますので表面利回り通りにいかないのが普通です。
表面利回りは不動産会社高く売りたいあまりにつけた指標であり、実際の家賃収入ではないということを認識しておきましょう。
また、もう1点重要なポイントがあります。
それは、コスト面です。
不動産を運用する上で、コスト面を避けることはできません。不動産を運用する上では多くの経費がかかります。
- 諸経費
- 管理料
- 修繕積立金
- 水道光熱費
- 空室時の費用
- 固定資産税
- 都市計画税
- リース料
- 出張費用
軽く挙げるだけでもこの項目があります。
表面利回りはこのコスト面が入っていない数値となりますので、表面利回りだけで収益物件を買ってしまうと痛い目にあいますので注意しましょう。
そこでコスト面も考慮した計算というのが実質利回りとなりますので確認していきましょう。
【関連リンク】
実質利回り
重複しますが、実質利回りとは不動産投資にかかりうる諸経費を含めた上で算出する利回りを指します。
もちろん、投資する収益物件によってかかってくる経費は異なりますので、同じということはありません。
- 諸経費
- 管理料
- 修繕積立金
- 水道光熱費
- 空室時の費用
- 固定資産税
- 都市計画税
- リース料
- 出張費用
などです。
【不動産投資の極意】アパート経営の正しい利回りの捉え方でもあるように、表面利回りの目安だけで投資をしてしまうと、とても危険です。
実質利回りの計算方法
それでは、早速実質利回りの計算方法を確認していきましょう。
計算式:実質利回り(%)=(年間家賃収入-年間運営経費)/(物件価格+購入経費)×100
実質利回りを計算できることで、表面利回りよりも精度の高い終始予測ができるようになりますのでオススメです。ただ、こちらの予測は簡単そうに見えて、正確な予測をするには長年の経験や分析力が必要となるためとても難しいのが現状です。
実質の計算方法をする上で加えるべきコストは、下記になりますので、全体像を把握しておきましょう。
- 収益物件の運営費(ランニング費用)
- 物件購入時の費用(初期費用)
収益物件の運営費(ランニング費用)
諸経費、管理料、修繕積立金、水道光熱費、空室時の費用、固定資産税、都市計画税、リース料、出張費用など、、、、
物件購入時の費用(初期費用)
登記費用、仲介会社への手数料・司法書士手数料・因子など
例)シミュレーション
では、表面利回りと実質利回りをご理解頂いた上でシミュレーションをやってみたいと思います。
こんな感じの収益物件があったとしましょう。
物件価格1000万円
家賃10万円
管理費1.5万円
修繕積立金3万円
まずは、表面利回りの計算からやってみます。
表面利回り=家賃10万円×12ヵ月/1000万円=12%
現在の不動産市場ではありえないほどの高い利回りになってしまっていますね。
では、次にその他諸々の経費を差し引いてみるとどうなるのでしょうか?
(家賃10万円-管理費1.5万円-修繕積立金3万円)×12ヵ月/1000万円=6.6%
となり、12%から6.6%へと利回りが落ちました。
さらに、見えないコストもかかってくることも多いのでさらに利回りが下がる可能性は高いです。表面利回りだけをみると魅力しか感じませんが、実質利回りもチェックしてみると現実味が出てきますよね。
なので、表面利回りだけでなく、実質利回りをみていくことが重要と言えます。
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『【平均利回り20%以上!】倉庫での不動産投資のすべて【高利回り】』
不動産の表面利回りの目安は地域/エリアによって異なる
実情として、利回りは収益物件のエリアや地域によっても全く異なりますので、なかなか目安をお伝えするのが難しいです。
例えば、都内で売却益といった不動産投資(新築)をメインに考えられているのであれば、5〜10%くらいの利回りの目安をつけておくことが重要です。一等地であれば、需要は高いので利回りが多少低くなったとしても許容の範囲内ですが、そのほかの場合は8%くらいはみておく必要があります。
都心と地方ではどちらの利回りが高いのか
さて、こちらの話はよく耳にする事かと思いますのでこちらで説明していきます。
都心部と地方の利回りを比べた時にほとんどの場合で、地方物件の方が高くなります。その理由はとても単純で、物件価格が圧倒的に安価なためです。都心部は地方では比べ物にならないくらい高い物件が多いです。
地方物件で言えば、利回りが10~20%くらいに落ち着くケースがほとんどです。なので、こちらの数値だけをみてしまうと地方物件への投資が非常に魅力的に見えるかもしれません。ですが、表面的にな数字に騙されてはいけません。
地方の物件時は、空室リスクが都心の物件よりも比較にならないくらい高いです。少子高齢化や若者の都心部への流出などの影響により、地方物件の賃貸需要がとても低くなってしまっています。加えて、人は仕事がない町には移住することは難しいですから、自然と離れれてしまう人も多いです。
そのため、一度空室になってしまった場合、次の入居者を見つけるまで時間がかかり、その間のコストが膨れてしまう可能性が非常に高いです。ですので、経営状況が悪くなってしまうことも容易に想像できます。また、固定資産税や管理会社への手数料は空室時もかかってきますから、負の連鎖が続いてしまいます。
逆に都心部の場合は、築浅物件の利回りが10%を超えてくる物件はほとんどないでしょう。ただ、地方からの流入が盛んなので多少の低い利回りでも許容の範囲内です。ちなみに、人口減少が進む中、東京はものすごいスピードで人口が増えています。
なので、空室リスクはかなりの確率で抑えることができます。人はいるので、あとは集客力の高い仲介会社を選べるか、物件の条件がユーザーニーズにマッチしているかでしょう。
つまり、都心部のようなニーズが高い地域であれば、利回りが多少低くても不動産投資をするメリットはあると言えます。反対に、仮に高い利回りがアクホできる予想がついていても、賃貸の需要が低い地域であれば、入居者を見つけるのが困難で空室リスクが増加する可能性も高いでしょう。なので、利回りが高いから投資するというよりは、リスクを取らず運用しない、という判断になるかもしれません。
不動産投資において利回り以外にも確認するべきポイントはたくさんあります。
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『アパートとマンションの経営方法の違いを知ることは成功につながる⁈』
不動産投資のタイプ別 表面利回り目安
1棟アパートの表面利回りの目安
不動産情報サイト(楽待を参照)に掲載されている1等アパートの表面利回りは平均は9.9%ほどです。なので、この数値より表面利回りの目安とすると良いでしょう。
ただ、1棟マンションなどに比べ1棟アパートの場合は建築費用も比較的安く抑えることができるので12%くらいの利回りを確保したいところです。
1棟マンションの表面利回りの目安
不動産情報サイト(楽待を参照)に掲載されている1等マンションの表面利回りは平均は8.51%ほどです。
不動産営業マンから投資用マンションを買う際に注意することにも書いてありますが、1棟マンションの場合は建築費用も高くイニシャルコストや、ランニングコストの費用が思いため利回りが落ち気味になってしまいます。
ただ、そのぶん耐用年数が長いため収益率が長期にわたって安定しやすいという特徴があります。
長期性に目を向けた投資の場合はメリットとなります。
区分マンションの表面利回り目安
不動産情報サイト(楽待を参照)に掲載されている分譲マンションの表面利回りは平均は8.8%ほどです。
分譲マンションの特徴としては、1棟もの建物よりもかかる資金が引くこと、リスクが低いというところです。震災や火災といったことが起こってしまうと1棟の場合は全てのものがパーになってしまうこともあります。また、築年数が長くなってくると家賃が全体的に下がってしまいます。加えて、資産価値を上げるためにリフォームをした場合、部屋分のコストもかかるので大量の資金が必要になります。
*これまでご紹介した各タイプの表面利回りの目安になりますが、あくまで全国の平均値をとったものになりますので注意してください
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不動産コンサルが語る、多くのサラリーマンが不動産投資で失敗する理由
なぜ不動産投資用マンションを購入した後に、後悔してしまうのか?体験談からそのポイントを書いてみる。
不動産投資において、表面利回りだけを目安にするは危険
もうご理解いただいているかもしれませんが表面利回りの目安を元に不動産投資をしてしまうことがないように注意しましょう。
重複してしまいますが、表面利回りはコスト面を含めず満室時を想定した指標となりますのでかなりアバウトな数字になっています。どんな物件でも空室期間は必ず訪れ、月々のランニングコストも間違いなくかかってきます。
なので、実質利回りもチェックしておくことが重要でしたよね?
ただ、収益、コストを含んだ実質利回りでさえ、あくまで目安と覚えておきましょう。不動産投資をしていると何が起こるかわかりません。
例えば、今は月々10万円で貸し出せていても10年後に同じ額で貸し出せるとは限りません。また、現在は低金利ですが、金利が仮に上がった場合ですと根本的な返済額も変わってしまうので、当初の資産を合わなくなってしまうケースも非常に多いでしょう。
また、中古マンションといった場合は、築年数が古くなってくると家賃を下げることはもちろんのこと、維持費も高くなってくるので思った以上に経費がかかり、当初の収益が出せなくなってしまうケースもあります。
こちらも合わせて読んでおきましょう。
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このように、不動産投資は表面利回りや実質利回りだけでは試算できないことが発生するケースは多くなりますので念頭に置いておきましょう。
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