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連載

2018.9.2

彼女を手に入れる作戦は順調に進み、とうとう彼女が……。Vol.4

前回までのあらすじ

美織を恋人・遠野から奪取するために、義彦は幼馴染の夕夏に遠野と関係を持つように頼み込む。義彦に想いを寄せる夕夏は、義彦にうまく丸め込まれてその頼みを承諾した。一方、大手商社マンというスペックを持つ遠野に対抗するため、義彦は不動産を購入して資産を持つことを決意。さらに義彦は美織と遠野の関係に隙があることを感じ取り……。

 

撒いた種は順調に育つのか……事態は変化を遂げつつある

 

俺が、美織を遠野から奪取する計画を実行に移し始めてから1ヵ月が経った。

その間、遠野に近づいて関係を持つように仕向けた夕夏からは、逐一進捗の報告を受けることになっている。

そして今日も、夕夏は俺の部屋を訪ねて2人でミーティングを行っていた。

「あのね、遠野さんやっと私に心を許してくれたみたいで、今度映画デートすることになったよ」

夕夏がそう報告すると、俺は

「お、でかした夕夏!しかし、やっとか……遠野のやつ、結構しぶとかったな……」

と、夕夏を讃えながらも敵である遠野がなかなか陥落しない経緯に渋い顔をした。

 

この1ヵ月間のうち、遠野がやっと夕夏と食事に行くようになったのは、ほんの1週間前の出来事である。

それというのも、夕夏が最初に仕掛けた遠野との出会いは、通勤電車の中で遠野に「前から好きでした」と声をかけるという、実に単純かつ稚拙なものだったためといえる。

学生でもあるまいし、こんな出会い方で簡単に人が心を開くとは思えない。

しかし、夕夏もプロのスパイではないし、何より俺への気持ちが行動で丸見えになってしまう無防備な女である。

それを考えると、夕夏が思いつく策がそれくらいしかなかったことは、まあ仕方のないことだろう。

そして、そんな胡散臭い近づき方をした女になかなか心を開かないのも、うなずける話だ。とはいえ、3週間で2人で食事までこぎつけたことは、夕夏にしては健闘したといえる。

 

「もう毎日毎日、遠野さんと同じ電車に乗って声かけて、帰りも偶然会った風を装って……大変だったよー」

そう言う夕夏に、俺はご褒美として頭をポンポンと撫でてやった。

「よくやったぞ、夕夏。もうひと頑張りだ」

夕夏は、俺に褒められてえへへ、と笑ったが、「もうひと頑張り」という言葉に、少し表情を引き締めた。

俺は、そんな様子を見ながらさらに続ける。

「その映画デートの日が勝負だ。何としても、遠野をその気にさせろ」

夕夏は、その俺の言葉に

「……どうしても、遠野さんとしなきゃダメ?」

と、悲しそうに俺の顔を見つめた。

ここに来て、俺の心に夕夏へのわずかな罪悪感が芽生えたが、俺はその芽を素早く摘み取って、

「頼むよ。後で、俺がめいっぱいご褒美あげるから」

と、少し甘い声で夕夏にささやいてやった。

すると夕夏は、ほんと?と表情を変えた後、やっぱり

「私、頑張るから!そしたら、いっぱいご褒美ちょうだいね!」

と目を輝かせるのだった。

つくづくバカな女だと思うが、遠野は実際には夕夏をどのような存在としてとらえているのだろうか。

何にせよ、遠野が夕夏にまんまと引っかかってくれれば、俺の美織奪取作戦は「傷心の美織に取り入る」という第2章を無事迎えられることとなる。

そのために、夕夏には頑張ってもらうしかないのだ。

 

Next 彼女からのまさかの誘い、そして……待ち望んだ瞬間が訪れる

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