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連載

2018.9.2

本気で彼女を奪う作戦に出るべく、男は動き出すVol.3

前回までのあらすじ

義彦は、美織の恋人である遠野と遭遇し、大手商社マンというスペックにひるんでしまう。一方、義彦の幼馴染である夕夏は、いつもかいがいしく義彦の世話をする日々。美織を手に入れるため、彼女と遠野を破局させる作戦を考え付いた義彦は、その作戦に夕夏を引き込むことを思いつく。

 

自分が惚れた女を奪うため、自分に惚れる女を丸め込む

 

俺が夕夏に持ちかけた案は、夕夏という存在があってこそ成立するものだと思う。

俺に惚れている夕夏は、俺の言うことなら何でも聞いてくれる女であることは、これからの美織奪取作戦にはかなり有効だ。

夕夏を遠野に近づけさせ、あらゆる手を尽くして遠野を誘惑させる。

そしてその事実に美織が気付くか、遠野が夕夏に本気になるか……そのあたりの過程は、とりあえず美織と遠野が別れる要因になるなら何でもいい。

別れさせてしまえば、後はこっちでどうにでもなるというものだ。

 

俺は、この作戦のうち「中富商事の遠野と関係を持ってほしい」というところだけをピックアップして夕夏に話を持ち掛けた。

遠野の名刺を見せながら話をする俺に対し、夕夏は明らかに悲しそうな顔をする。

そこで俺は、

「頼むよ、夕夏。この男に何とかして社会的制裁を与えたいんだ。こいつは俺と周りの人生を邪魔する疫病神なんだよ」

と、夕夏の手を握って訴えかけた。

夕夏は、俺に真摯に頼みごとをされていると思ったのだろう。

さっきまで悲しそうにしていた目を怒りの目に変えて、

「何?この遠野って人、よしくんに何したの?」

と語気を荒げた。

何を、と言われても、具体的に何かされたわけではない。しかし、俺にとって遠野が疫病神であることは確かだ。

とはいえ、美織のことも絡めて全てを話してしまうのは避けるべきだ。

さすがの夕夏も俺が別の女に気があるとなっては、この話を聞き入れてくれないだろう。

そこで俺は、必要最小限の情報のみを夕夏に与え、夕夏を遠野に仕向けることを考えた。

 

「何って……そうそう、俺の先輩の彼女がこの遠野ってやつに取られちゃって落ち込んでてさ。俺、その先輩にお世話になってるから、何とかして報復してやりたいんだよね」

事をスムーズに進めるためには、多少の嘘も必要だ。

そして、この嘘の中での遠野の立場が、実は俺自身であったとしても、特に後ろめたさを覚えることはない。

嘘でも何でも、俺は自分の目的を遂行するまでだ。

すると夕夏は、腹をくくったかのように強いまなざしで俺の案を承諾してくれた。

「私、うまくできるかわからないけど……よしくんのために頑張るね!!」

単純な女だな、と俺は思った。

 

Next 商社マンが持つ高スペックに対抗するために、男が取った策とは?

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