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連載

2018.9.2

サラリーマンの花形・商社マンがライバル!彼女を奪うための作戦とは?vol.2

前回までのあらすじ

小さな不動産会社の営業部に勤める義彦は、同僚で2つ下の後輩・美織を落としたくてアプローチをかける日々。しかし、美織はいつも義彦の誘いを断るのだった。ある日、美織から「誘いに応えられない」と言われた義彦は美織の後をつけると、美織と仲睦まじそうにする恋人の存在を確認する。義彦は、その男から何としても美織を奪うことを決意。

 

想いを寄せる彼女には男がいた!その男のスペックに愕然とする

 

翌朝。俺は、昨日目撃した美織とその恋人との逢瀬の場面を思い返し、未だに胸糞の悪い気分を引きずっていた。

それと同時に、あの2人を何とか引き裂き、美織を俺の手中に収めるいい方法はないか思案を巡らせる。

しかし妙案は思いつかず、俺はさらにいら立ちを募らせていた。

 

重い頭と体をゆるゆると動かし、俺は会社へ向かう道に歩を進めていた。

そして、俺は前の方から人が歩いてくるのに気づかず、ドン、と肩をぶつけてしまう。

その拍子に、完全に力を抜いていた俺の体は弾き飛ばされ、歩道の脇に倒れ込んで頭を軽く打ち付けてしまった。

「い……って……」

「あ、すみません!大丈夫ですか?」

そう言って立ち止まった人物の足元を、俺は痛みに耐えながら何となく見つめた。

俺が見つめた先にあったのは、見覚えのある靴の形だ。

これは……昨夜見た、美織の恋人が履いていた靴……?

昨夜、高級そうなスーツをビシッと身にまとい、サイズ感がぴったりの靴を履きこなしていたことが印象に残っているため、よく覚えている。

俺は、今までもやがかかっていたような頭が一瞬で目覚める感覚を覚え、慌てて顔を上げる。

すると、そこにいた人物は腰をかがめて心配そうにこちらを見ていた。

この顔……確かに、昨日美織と一緒にいた男だ。

その男は、俺に手を差し伸べ、

「申し訳ありません……急いでいたもので」

と語りかける。

俺は、助けてもらうのを癪に感じて、黙って1人で立ち上がろうとするも、頭の痛みと体のだるさでよろけてしまう。

すると目の前の男は、慌てて大丈夫ですか?ともう一度言った後、

「頭打ったんじゃないですか?病院に行った方が……」

と親切にも提案をしてくれた。

その、いかにもいい人そうな態度が余計に気に入らなかった俺は、

「こんなの、どうってことないですから」

と強がり、何とか立ち上がる。

そして再度男の方を見ると、昨日とは違うスーツを着ているとはいえやはり自分の体形に合わせてあつらえたことがわかるジャストサイズのスーツで、質感も上質さを感じさせる。

そして背格好も、昨日見た男と同じだと俺は確信した。

こいつが……美織をモノにした男……。

俺が男をにらみつけるように凝視していると、彼は

「そうですか……もし何か体調がすぐれないようなことがあれば、私にご連絡ください。誠心誠意対応させていただきます」

と言い、自ら俺に名刺を差し出した。

俺は黙ってそれを受け取ると、男は爽やかにじゃあ、といってその場を去って行った。

 

「何だよ……去り際までかっこつけやがって……」

チッ、と舌打ちをしながら、俺は先ほど手渡された名刺に目を落とす。

「遠野……雅也……、えっ?中富商事!?」

中富商事といえば、総合商社としてトップクラスを走り、俺たち畑違いのサラリーマンだけではなく世間一般にもその名を知らしめる大企業である。

事業は食品から産業機械、航空機まで手広く行っており、どこの業界にも何らかの形で中富商事が絡んでいるともいわれている。

これは、昨日俺が予想した自分とのスペックの違いが見事的中した形である。

かたや、社内No.1の業績とはいえ小さな不動産会社のいちサラリーマン、かたやサラリーマンの花形である大手総合商社マン。

俺がいくら不動産物件を販売し続けても、大手商社マンにはそうそう追いつけるものではない。

こんな男が美織の恋人となると……俺が太刀打ちするのはかなり骨が折れそうだ。

「まじかよ……」

 

Next 自分に想いを寄せる女の存在が、これからの命運を決める

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