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不動産投資に関する情報メディア

連載

2018.8.11

とりあえず小規模から始めた不動産投資。最初の借主は……?vol.2

前回までのあらすじ企画課の冴えないサラリーマン・晴人は、上司の小祥子に檄を飛ばされる毎日。さらに同期でやり手の営業課・修吾の存在でコンプレックスを感じていた。そして受付嬢の由依が修吾を狙う中、修吾と祥子が付き合っていることが発覚。祥子との将来のために不動産で資産運用をしているという修吾に触発された晴人は、自らも不動産投資に興味を持ち……。

以前、修吾に不動産投資の話を聞いて以降、晴人はどのようにすれば自分も不動産投資を始められるかあれこれと考えていた。

修吾はコツコツと貯金をしていただけではなく、資産家の実家からマンション購入資金をある程度工面してもらったことで、投資するマンションを一棟買いしてローンを抑えることに成功したらしい。

しかし晴人はもともと貯金が得意なタイプではなく、仕事での評価もあまり高くないことからボーナス査定は壊滅的である。そのため、マンションを購入する自己資金にはすこぶる乏しいのだった。

晴人はどうしたものか、と考えながら、ある日インターネットで不動産投資について調べていると、「マンション経営は1室からでも始められる」と書かれたサイトを発見した。

「これだ……!」

マンション1室だけなら、自己資金ほぼなしでローンを組んでも毎月の負担はそう重くはならないし、何より気軽に始められる。そして、不動産投資に慣れてきた頃に徐々に規模を広げていけばいいのだ。

そして晴人は、ある休日に思い切って、「リーフラボ」にバレないように職場から少し離れた不動産仲介会社に出向いて、購入するマンションの相談をしに行った。

仲介業者のアドバイスを受け物件を紹介してもらいながら、

「不動産投資は生半可な気持ちで始めると、失敗する可能性がありますよ」

と説明を受け、晴人は若干心が折れそうになったことは否めない。さらに、金融機関での融資申請や登記申請など諸々の手続きの煩雑さに閉口し、

(こんなの、僕にできるのかな……)

とも思ったが、それ以上に不動産投資に対してどんどん興味が湧いてきたのも事実だ。

そしてとうとう、「メゾン・ド・プレシャス」というマンションの1LDK・205号室の売買契約を交わした。

(これで僕も、マンションのオーナーになったんだ……)

晴人は、すべての契約手続きを終えた時点で達成感を覚える。しかし、本当に大変なのはこれからだ。仲介会社からは「管理会社と契約しますか?」と聞かれたが、1室だけの管理であることや、晴人に資金がないことから、自主管理という形で経営を始めることにした。

そのため、例えば設備の不備や近隣トラブルがあった場合などには、晴人自らさまざまな手配をしなければならない。しかし、やはり1室に対応すればいいだけなので、おそらく問題はないだろうと仲介会社は説明していた。

それなら、ということで早速マンションの借主募集の広告を出すことにする。

晴人は、初めて自分がオーナーになったマンションに、どのような人が入居するのかわくわくしていた。

(いい人だといいな……)

 

それから2週間ほどした頃、仲介会社から連絡があった。

「205号室の借主が見つかりましたよ」

「ほんとですか!?」

晴人は、とうとうこの日が来たと心が躍る。自分の不動産オーナーとしての第一歩が、いよいよ始まるのだ。

ただし、基本的にオーナーと借主の間は仲介業者が取り持つため、オーナーである晴人が借主に直接会うことはない。その点については残念と思いながらも、自分のマンションに住んでくれる人がどんな人なのかはちょっと気になる。

「借主は、どんな人なんですか?」

と、晴人が仲介業者に純粋な質問をすると、

「職業はサラリーマンとのことなので、家賃の支払い能力には問題ないでしょうね。それと女性1人ですから、多少丁寧なフォローが必要かと思います」

仲介業者は、そう説明してくれる。

「女性1人ですか……」

女性がこの世の中で5本の指に入るほど苦手な晴人は、直接会わなくてもいいことに少し胸をなでおろした。しかし、これから自主管理で経営するにあたっては、いつか顔を合わせなければならないこともあるだろう。

そう覚悟を決めながら、仲介会社から連絡をもらった次の休日に、賃借契約のために仲介業者を訪ねる。

そこで仲介会社の担当者が

「賃借契約書に、借主のサインと押印をいただきました」と差し出した書類に、晴人は注意深く目を通す。

そして借主の氏名に目をやると、そこには見覚えのある字列があった。

「小柳……?」

そして下の名前も読んで、小柳課長もそんな名前だったような、違ったような……と晴人は思った、しかし、別に似た名前ならそこら辺に結構いるものだ。しかも、ここは職場から少し離れているし、同姓同名なんだろうなと晴人は深く気にせず、晴人は嬉々として契約書にサインと押印をした。

 

Next 借主からトラブルの連絡を受け、業者と一緒に出向いてみると……

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