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2018.1.5

原状回復ガイドラインは不動産投資家にメリットをもたらすか?

賃借不動産に関するトラブルは様々ですが、退去時の原状回復に関するトラブルが、大きな比率を占めています。それを受けて、原状回復に関するガイドラインが策定されましたが・・・これは果たして投資家にはメリットはあるのでしょうか?

原状回復でのトラブルは?

「立鳥跡を濁さず」と言う諺がありますが、これは賃借不動産の場合も同様のことが言えます。借主は、借りた時と同じような状態で貸主に返す「原状回復」の義務を負っているのです。

さて、この「原状回復」に関してですが、昔から様々なトラブルがありました。と言うのも、「借りた時と同じように」と言う文言の認識が、人によってずいぶん違っていた背景があったからと思われます。そして、敷金の解釈の仕方も、人によって違っていたことも考えられます。貸主の多くは、「原状回復は敷金を使ってするもの」と言う考え方をしていた背景もありました。

さて、敷金に関するトラブルが無くならないのには、金額の多さも影響していると思われます。と言うのも、敷金は家賃の1~3ヵ月預けるのが通例であり、金額にすれば数十万円単位に上る場合もあるからです。また、使われ方が不透明なのも要因になっていたとも思われます。畳の交換やカーペットの交換、そしてハウスクリーニング等を理由に、説明が不十分な内に数十万円の費用を取られるのに憤りを覚えるのは、有る意味当然とも言えます

ガイドラインの策定

さて、そう言ったトラブルが頻発する事態を受けて、原状回復のガイドラインが、国土交通省により策定されました。このガイドラインは、原状回復の負担の範囲などについても纏めてあるため、非常に具体的な内容となっています。

例えば、原状回復に関してトラブルになりやすい例に、畳やカーペット、床の劣化等がありました。退去時など、貸主は、「原状回復義務があるのだから、新品に交換して返すべきだ。だからその部分に敷金を充てる」・・・と言った主張をしたものでした。そして、その考え方は、グレーながらも半ば一般化していました。この国交省策定のガイドラインは、こう言った以前はグレーだった例に関しても、回答できる様に作られています。

ところで、このガイドラインですが、基本的な考え方は、住宅設備の原状回復は、入居者の過失によって起こった不具合に対しては、入居者負担で回復することにしていて、通常の使用のレベルでの劣化や磨耗に関しては、入居者は回復義務を負わない・・・と言った考え方の立場に立っています。

具体的には、畳みやカーペットの色褪せや日焼けに関しては通常使用の範囲と認め、入居者は回復の義務は負わないが、タバコが原因の焦げ跡などは、入居者の過失による物なので、借主が負担しなければならない・・・と言ったイメージとなります。

ガイドラインは不動産投資家にとってメリットはあるか?

それでは、このガイドラインが出たことによって、貸主、即ち投資家にメリットがあるか?・・・と言う命題にぶつかりますが、不動産投資事業の流れを明確にし、透明性を高める意味において、「原状回復のガイドラインは、明確になっていた方がメリットが多い」と言えます。

と言うのも、投資事業はキャッシュの流れが透明であれば、それだけ問題点の洗い出しが簡単になるからです。そして、例えば銀行に事業について説明を求められた際にも、資金の流れが明確になっていれば、論理的な説明もしやすくなるため、次の融資を引き出すためにも有利になります。

また、ガイドラインがはっきりしていれば、「どのタイミングで設備を交換するべきかの判断」がしやすくなるメリットがあります。と言うのも、設備の耐用年数さえ把握しておけば、設備の修繕計画を立てやすくなるからです。

設備の耐用年数を償却期間とし、交換費用を積み立てておけば、耐用年数が終わったとき、交換の費用に困ることは少ないでしょう。そして、借主側過失によるアクシデント的に起こる設備トラブルは、基本的に借主側の責任においての交換となりますので、貸主側は負担しなくて済むのです。

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設備について知っておく

貸主として住宅設備について知っておくことは非常に重要です。そして、設備については、耐用年数だけでなく、ある程度のコストと性能を押えておくことも肝要となります。また、住宅設備にはグレードがあることを覚えておくべきです。多くの設備は「高級」「中級」「普及」とグレードを揃えてあり、機能やデザイン等を変えています。

ですから、新聞広告や価格比較サイトなどだけで設備費用を算出すると、設備のグレードなどが違ってしまい。設備を更新したら、部屋が安っぽくなってしまった・・・と言った事態も考えられます。そう言った事態を避ける上でも、設備について知っておくことは重要です。

設備について知っておくことは、原状回復を元のグレードでキープする上でも重要です。各設備についての仕様を、きちんと把握しておきましょう。また、これはガイドラインによるところの、「借主側の過失による回復」の際にも、重要になる知識となります。元通りと同等の仕様に回復してもらう意味においても、設備の知識をしっかり蓄えておきましょう。

不動産屋の原状回復に対する認識について

不動産投資の失敗例と成功例。成功のポイントは不動産会社にあり。」でもあるように、原状回復に関する不動産屋の認識は、必ずしも共通しているとは限らない様です。と言うのも、不動産屋に勤務している全部の人間が宅建を持っているとは限らず、ガイドラインに関しても、解釈がバラバラである可能性もあるからです。

投資家としては、敷金の確保よりも、ビジネスの透明化を狙った方が銀行の支援を受けやすいなどのメリットが期待できるため、このガイドラインについても明るい不動産屋を使いたいものです。

原状回復は費用が発生することですが、その支払いを明朗会計にして、不動産屋よりも銀行を選ぶ方が賢いと言えます。その為にも、場合によっては、原状回復に強い不動産屋に変えるのもアリと考えるべきでしょう。

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