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2017.8.12

駅舎をリノベーションして「地元」の発信【土佐くろしお鉄道の中村駅】

 

四万十川と言えば、日本でも非常に有名な河川で、多くの人に好まれる場所と言えるでしょう。その景勝地は多くの人の憧れを誘っています。

 

ところで、この四万十川の流れる四万十市に走る、土佐くろしお鉄道ですが、この路線に中村駅と言う、少し有名な駅があります。この駅はリノベーションで見事によみがえった駅です。

土佐くろしお鉄道の中村駅とは

出展:http://photozou.jp/photo/show/266445/25645873

土佐くろしお鉄道の中村駅は、もともとが旧国鉄の赤字ローカル線の駅のひとつでした。この駅は1970年の開業でした。1987年に国鉄が分割民営化され、この駅もJR四国に継承されました。そして、1988年に中村線が土佐くろしお鉄道に転換されました。

 

この後、路線の拡張などで鉄道としては良くなりましたが、自家用車の利用や土地の高齢化のために存亡も危うくなりました。

 

そんな中、駅のリノベーションが行われました。2009年のことです。

出展:http://tadaoh.net/design/space/nakamura_station.html

中村駅のリノベーションの特徴は「空間」に重きを置く点です。まず、改札口がありません。ですから非常に開放的な空間になっています。

 

また、地元産のヒノキ材を多用し、「和」の空気を残しながら心地良い空間創造に成功しています。このヒノキは四万十産のヒノキです。

 

待合室も開放的で、しかもヒノキの柔らかな雰囲気を味わえるように作ってあります。売店はギャラリー風です。四万十市と周囲のお土産が並んでいます。

出展:http://www.g-mark.org/award/describe/36745

また、地元の学校の机なども持ち込んで設置し、ユニークな雰囲気も作り上げています。

中村駅のリノベーションの評価は非常に高く、国内外の様々な賞を受賞しています。代表的な受賞には、鉄道関連の国際デザインコンペのブルネル賞で、駅舎建築部門の優秀賞を獲得しています。

 

地元のヒノキへの愛着

日本人にとって、ヒノキ材は最も憧れる建築材料ではないかと思われます。四国のヒノキは国内でも高品質のものとあって、多くの人に愛される材料です。

 

ヒノキは年輪があまりはっきりとしてはおらず、淡い紅色と白色が特徴的です。美しい光沢と、ヒノキ特有の香りがあります。また、それだけでは無く、心材は耐久性が高く、建築材料としてもトップクラスとも言えるでしょう。

 

中村駅は、このヒノキをふんだんに使用しています。そして、その姿は「ヒノキの町」を前面に押し出していると言えるでしょう。

 

駅のリノベーションを考える

出展:http://guide.travel.co.jp/article/9645/

ここで少し「街の中心」を考えます。

 

一口に街の中心と言いましても、いくつかの意味での中心があります。大きなショッピングモールが中心となっている街、学校や役所が中心となっている街、そして、駅が中心となっている街です。その多くの街ではショッピングモールが中心になっているかもしれません。

 

自家用車の普及が高くなると、そう言った傾向が更に強くなるものと思われます。鉄道の稼働率は更に下がり、駅は更に老朽化する事でしょう。

 

そこで、駅にリノベーションが施される場合を考えてみます。中村駅の場合は、地元産のヒノキを多用する事によって、四万十市の新たな名所になっています。このリノベーションは非常に特徴的です。

 

と言うのも、街の人達へのアピールも去ることながら、日本全国に対するアピールにも成功しているからです。日本人にとって、ヒノキは特別な材料で、ファンも非常に多くいます。

 

そして、このよみがえった駅は、新たな名所になります。特に鉄道の場合はファンが多いこと、また四万十は多くの旅行愛好家に愛される土地です。駅のリノベーションの相乗効果は非常に大きいです。特に旅行客の「この街でのスタート地点」は駅になります。このスタート地点は、新たな「街の中心」のひとつです。

 

駅のリノベーションによって地元の発信基地になる

出展:http://guide.travel.co.jp/article/9645/

四万十市は土佐の小京都です。また、風情のある街だけでなく、四万十川の幸も味わえる街です。

 

ところで、駅はその土地の入り口になります。多くの観光客は列車でこの街を訪れ、そして帰って行きます。駅は観光の要のひとつです。

 

観光ならば「記憶に残る場所」は重要です。それが土産話になりますし、現在では多くのブロガーによって街を紹介されるかも知れません。その中に中村駅も紹介されることでしょう。

 

ある人は鉄道ファンの立場から、またある人は旅行愛好家によって情報が発信されるかも知れません。そして、その中には、中村駅の改札や待合室のヒノキ特有の雰囲気も取り上げられるかもしれません。

 

それを読んだ鉄道ファンや旅行愛好家は、中村市に行ってみたくなることでしょう。そうすると中村駅は、更に忙しくなると思われます。多くの人がカメラやスマホで写真を撮り、ブログやSNSで発信する。これはまさに「発信基地」のひとつでは無いでしょうか?

 

ビジネスとしての駅のリノベーション

出展:http://guide.travel.co.jp/article/9645/

中村駅は海外からの評価も高いリノベーションで、観光の意味でも成功した例ですが、この様に成功するには、予算管理なども重要です。

 

駅のリノベーションには、価値の底上げの意味もありますが、そのためにも投資する部分をピックアップし、特化出来る部分を洗い出し、資本をつぎ込まなければなりません。その予算の捻出は、中村駅であれば、鉄道の営業利益になりますが、そこの損益を見極めなければなりません。

 

あるいは「街」としての財務を考える必要もあるかも知れません。

 

中村市は小京都で四万十川が流れる土地で、いつも観光客に溢れているかも知れませんが、ビジネス安定化の為にも、新たな名所を欲しがっていると思われます。

 

中村市は四万十川のブランドで、集客力は高いとも思われますが、中村駅の登場は、新たに鉄道ファンの獲得にまで及びます。そして、全国から集まった鉄道ファンもまた、この土地に魅了され、新たなファンになることでしょう。そして、お金を落として行くことでしょう。

 

全国にはリノベーション以前の中村駅の様な駅舎が非常に多いことと思われます。そして、その駅のある街は、名産や特化出来る部分もあるかも知れません。それを駅などの「街の中心」に応用する事は出来るのではないでしょうか。

 

そして、そんな駅のリノベーションを通した街の活性化に、今後期待できるのでは無いでしょうか。

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