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面白い不動産

2017.7.26

「変なホテル」に見る「これから」について

企業を経営する上の課題のひとつに「労働生産性」が挙げられます。この生産性を上げるために、企業は工場を可能な限り自動化しますし、人力だとミスが多くなりそうな複雑極まる計算などを、パソコンに業務委託をします。

また、安全性の確立していない作業場や危険な地域では、ロボットが活躍することも多くなりました。今回の「変なホテル」は、ロボットがあらゆるところに進出した「究極の生産性を追求した」ホテルです。

 

ロボットについて少し考える


二足歩行ロボットがポピュラーになって随分経ちます。実は、これが世の中に出て来た当初は、私たちは驚いたものでした。

 

人間の「歩行」の動作は、車輪での移動などと違い、微妙な体重移動のタイミングに合わせて足を踏み出す動きなのですが、この中の「自分の体重が移動」したことを感じ取る様な技術が、当時は難しいと思われていたからです。しばしば新聞などのメディアに、ロボットがどれくらいの歩数を歩けたか、などの記事が現れましたが、その度に胸を躍らせたことを覚えています。

 

ロボットの「動き」を考える時にベースになるのが、やはり「人間や動物の動き」なのでは無いか、と思われます。歩くにせよ掴むにせよ仕事の効率から考えれば、生き物の模写をするのが一番でしょう。

 

「移動」のことを考えれば、人間の模写が出来れば、人間の入り込めるところに行くことが出来るからです。

 

掴む動作はとても難しい

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ところで、移動について挙げましたが、もう少しべーシックな動作の「掴む」ことを考えてみたいと思います。

 

掴む動作は機械的な動きとしては、意外に簡単なのかも知れません。ゲームセンターのクレーンゲームを考えると、あれは立派に「掴む」動作をしています。

 

しかし、あのゲームは確実に掴んではくれません。掴むのはむしろレアケースです。掴むためには、単なる握力だけでは無く、「どこを掴んだら確実に掴めるか」「どれくらいの力で掴んだら壊さずに落とさずに出来るか」などの制御が必要になります。

 

現代のロボットは、まさにこの「難関な部分の制御」を見事にやっていると言えるのです。

 

ところで、最近のロボットは掴む動作や歩行の動作を見事に再現するだけで無く、例えば人間の表情や声の調子などを制御しているから驚きです。表情を模写するロボットは、視界に誰かの人影が入って来て、こちらの顔面を察知すると、こちらの方向に向かって挨拶したり、微笑みかけたりが出来るのです。

 

手の動きや歩行などで驚いていた私たちにとって、最近のロボットは更に驚くばかりです。

 

「変なホテル」は楽しいホテル


さて、「変なホテル」は長崎のハウステンボスにあるホテルです。

 

このホテルの驚くべき点は、人間が働くのでは無く、ロボットが働いている点です。

 

ハイクオリティーのサービス提供


ホテルのフロントに着くと、クロークのロボットが多言語で対応してくれますし、貴重品の管理はロッカーとロボットアームで厳重に管理もしてくれます。ポーターロボットもありますし、個室への入室は顔認証で行われます。

 

導入されているのはロボットだけではありません。環境への配慮も高いレベルです。

 

例えば照明器は人感センサーで制御され、無駄な電力消費を少なくなるようにしていますし、空調に関しても「輻射パネル」を採用しています。また、ホテルで用意してあるアメニティグッズは無駄な部分を排除しています。

 

「変なホテル」のコンセプトは、「先端技術を導入し、ワクワクと心地よさを追求した世界初のロボットホテル」です。そして、この「変」の文字には、「変化し続ける」という意思が込められていて、常識を超えた先にある、かつてない感動と快適性の追求が含まれています。

 

技術の進歩と労働生産性の追求


「必要は発明の母である」と言う諺は至言です。必要があったからこそ発明があり、それが技術の進歩に結びついています。「変なホテル」は、この部分で非常に高いレベルの運営を実現しています。

 

「変なホテル」のもう一つのコンセプトは労働生産性の追求でもあります。

 

ホテルのクロークの例を挙げましょう。通常、ホテルのクロークは人間の仕事です。ホテルに着いた時に迎えてくれるクロークの笑顔は、旅に疲れた人の心をホッとさせることでしょう。

 

経営目線だと?


ところで、これを「ホテルの経営者目線」で考えると、人間のクロークは必ずしも万能とは限りません。人間のクロークは食事も休息も必要ですし、病気で休むこともあります。更に言えば、給与だけでなく、健康保険などの世話もしなければならないのです。

 

逆に「ロボットのクローク」を考えてみましょう。ロボットは電源を入れさえすれば決まった通りに動くでしょうし、休むこともありません。

 

また、人間ならば嫌がる仕事も黙々と続けるでしょうし、給料を払う必要もありません。人間の仕事の方が細やかだったり、ロボットの導入や維持、管理が非常に高価でしょうから、なかなかシフトは難しいのでしょうが、「労働生産性の観点だけ」から考えると、人間よりもロボットの方が良いとも言えるです。

 

「これから」に期待して


「変なホテル」では、そのコンセプトに、ロボットの労働生産性を前面に出しています。そして、経営的からの視点では、もしかすると、その「ロボットの生産性」の実証までをもしているのかも知れません。

 

ところで、最近、「ロボットが人間の仕事を奪う」ことを懸念する人が多く居ます。工場の例を考えれば、休みが必要な人間よりも、疲れもしないロボットの方が、経営者には有難いでしょう。また、危険な地点に出向く仕事の場合でも、「命知らず」のロボットの方が人間よりも優れる場合も多いのかも知れません。

 

それを考えると、この「変なホテル」の存在は、人間の労働市場に新たな動きを見せる、と捉える人も多いかも知れません。しかし、きっとそれだけでは無いはずです。

 

昔テレビに出て来たのですが、「人間のために戦ったロボット」や「友達になってくれたロボット」を考えると、ロボットと人間との共存と共生の出来る道が、きっとどこかにあるはずだと思います。「変なホテル」はロボットの活躍するホテルですが、これを切り口にして、ロボットと人間の共存の道が見いだせるかも知れません。ただし現状は模索段階です。「これから」に期待したいと思います。

 

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